No Art, No Progress

8月が終わるぅー
ご無沙汰しております。元気です。
夏休みも半分終わり、日々のほほんと穏やかな気分で、美術展に行ったり舞台を観たりして贅沢に過ごしています。うひひ。

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●7/27 Chim↑Pom「日本のアートは10年おくれている」@恵比寿NADiff a/p/a/r/t

かねてからChim↑Pomインスタレーションを見てみたいと思っていて、今回無料で見れるというのでテスト中でもお構い無しに喜んで出掛けてきました!展示最終日、しかも終了時間ぴったりに駆け込むという無謀!(一緒に行ったパトさんのバイトがあったからだよ、いつもの遅刻じゃないよホントだよ)
地下のコンクリむき出しの部屋に鉄骨が渡してあって、水びたしで、浮き輪が浮いてたりゴミが浮いてたり小便小僧が小便してたりモニターにはビデオ作品が映し出され壁にはスプレーで落書き(ピカチュウとかとか)がされてたりのめちゃくちゃなところがなんか楽しい作品でした。鑑賞者は身をかがめて危ない足場を渡っていくの。楽しい。

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●8/2 君の身体を変換してみよ展@初台ICC
ピタゴラスイッチ佐藤雅彦さんと桐山孝司さんの東京藝大院研究室がつくった、ヒトの身体感覚で遊ぶ実験装置みたいな作品の展示。NTTインターコミュニケーションセンターの毎年恒例のキッズ・プログラムということでした。でも大人も(恥ずかしさを捨てれば)かなり楽しめる!
特別上映の『日常にひそむ数理曲線』というビデオがおもしろかったなー。日常の風景からグラフを取り出して解説する教材ビデオのようなの、40席程の小さい視聴覚室で見たのもまた楽し。爆笑問題の太田さんがナレーション。カナヅチを放り投げるとくるくる回るけど重心は放物線を描くとか、日が傾くに連れて動く東京タワーの影を追いかけるとどんな曲線が取り出せるとか…彼氏さんは工学系なのでべつに内容は真新しいものと感じなかったようですが、見せ方がおもしろかったと言ってました。
あと「計算の庭」という作品が楽しかった。参加者一人ひとりが数のプレートをもらって首から提げて庭に入り、「÷2」とか「+8」とかのゲートをくぐって計算しながら庭を歩き、最終的に73になったら庭を出られる。
私は2から始めて((2×7×3+8)×3-4)÷2=73というプロセスをふんで所要時間7分25秒。*1
ところで佐藤雅彦の美術的ブレーンって誰なんだろう?ピタゴラもこの展覧会もビデオも同じ人がディレクションしてたような気がするのですが。

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●8/5 POST CARD300人展@高円寺galleryたまごの工房
友達のしょうたろくんが出展しているので見に行ってきました。300人募集して、結局129人出展したそう。すごーくちいさいギャラリー。
ポストカード大の平面なら画材はなんでもありっていう展示でした。応募規格を外れてますよって展示の横に書かれてる人がいて、こんな注意の仕方しなくてもいいのにと思った。
下北沢のギャラリーHANAでたまにやってるポストカード展と似ているけど、あっちは販売を目的としている(印刷作品が多い)のに対してこっちはすごく手の込んだ1点モノの生作品が見れるところがいいと思いました。

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●8/6 The Vivienne Westwood Opus展@六本木ZEL CAFE/GALLERY

Vivienne Westwoodの服を着たセレブたちを撮ったポートレート写真集が出版された記念の展示。仙台からやってきたななこちゃん(id:ritalin16g:20080809)と一緒に行ってきました。
この写真集、見本が置いてあって閲覧できたのだけど90×64cm、25kgだって。めっちゃでかい。表紙が9バージョンあって世界900冊限定全て直筆サイン入りとか豪華すぎて笑っちゃう。右ページが全てヨーロッパに一台しかないという巨大ポラロイドカメラで撮った写真で、20×24インチの実物大で収録されている。左ページにはAliceとかPinocchioとかが登場する哲学的な童話(途中で英語読むの飽きた…)。この日記のタイトルもこの本の一節です。Barbara Fialhoというブラジル人モデルさんがすっごいキレイで好きになった!こういうラテン系な眼力ある美人に弱いんだ私は。
この日この後にね、六本木のあのTSUTAYAに行って\11,813もする本を衝動買いしました。豪華な本がすごく欲しくなっちゃって歯止めが利かなくて。で、帰ってきてAmazonみたら\6,559…。ううう、なんだそれ。いいんだあの日あの店で買ったという思い出が大事なんだ…。

Tokyolife: Art and Design

Tokyolife: Art and Design

この表紙も超好み!やばいですね、えへへ。気に入っています。現代日本の建築・ファッション・映画・写真など作家の紹介本なんだけど、作品図版が大きくて綺麗。作家を選ぶセンスもよい。

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●8/17 対決 巨匠たちの日本美術展@上野東京国立博物館
単独で展覧会の主役をはれるクラスの国宝や重要文化財が大集合というとんでもない展覧会!行こう行こうと思ってたら最終日になってしまい、混雑を予想して開館30分前に到着したんですがそれで30番目くらいだったかな。開館前に私の後ろにも長蛇の列。
宗達風神雷神光琳風神雷神が並べて展示してあったのがひときわ印象に残りました。私は宗達の構図が好きかな!ポストカードも買ったった。若冲の艶めかしく麗しい細線、蕭白の不気味すぎる寒山拾得、ちょうおもしろい。混んでたのはもう仕方ない。だってすごい良かったもん!!作品がいいし、対決形式の構成も最高!!絵画(大きいものから小さいものまで)、木彫刻、焼物工芸品のいろいろなメディアのバランスも良かったですね!
鑑賞は2時間弱かかりました。年配の方がやはり多かったかな。小さい子供を連れて来ている家族もいたけど、あの良さがわからないだろう年齢の子にはちょっとかわいそうでした。
公式図録は欲しかったけどちょっと高いなあと思いとどまり、あとで書店にて私が知りたい作家のプロフィールを詳しく楽しく解説したムックを買いました。
[rakuten:book:12993378:detail]

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●8/17 ルオー大回顧展@東京出光美術館
初めての出光美術館には辿り着くまでちょっと大変でした。雨の中、ビルの上にひっそりとある美術館には人がたくさん。でも静か。
ジョルジュ・ルオーのことは作品数点くらいしか知らなかったのに、展示の構成と解説のおかげで楽しめました。ごてごてした額に納められた水彩画・油彩画・版画。シックな赤い壁。展示の誘導もわかりやすく上手かった。
油彩画の無骨な重厚な質感がいいですね。壁画のような。指で触りたくなる厚みのあるつるつるの作品も、ひっかきたくなるガサガサ感の作品もあるし。詩的なタイトルも良かった。自作の詩や、古典や聖書の引用や、慣用句からルオーが選んでつけたらしい。「われら死すべきもの、われらもわれらのものすべてもNous devons mourir, nous et tout ce qui est nôtre」とかね。いいですね。

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●8/17 中国現代美術展 チャイニーズ・ドリーム@東京丸ビルホール
↑から帰る途中通りがかって、無料なら入ってみるかと思って入った。空いてました。無料のわりにはよかった!でっかいキャンバスを額装してなくて間近で見られる。90-00年代の現代美術作品でした。出展作品にはなかったけど、置いてあったカタログのWang Yaqiangという人の作品が気になりました。ちょっとフリーダ・カーロっぽい。

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なんにも予定なかったはずが、忙しく過ぎ行く夏です。
ラジオでサザン 30th anniversary liveを聴きつつ。

*1:このレビューはなるほどなと思いました。http://japan.cnet.com/blog/lilyann/2008/05/23/entry_27001727/